製作時には基本デザインの中から絵柄を選択した上で製作する事も多く、その種類は50種類以上も存在するのでオリジナルの物も数多く存在します。最も有名な物だと大漁を思わす文字や自身の船の名前を書いた物で、背景には荒波が描かれている物も多く存在します。
縁起の視点では七福神が描かれた物も有名で、その意味では宝船も定番化しているデザインとして知られています。特に恵比寿様はどの絵柄でも鯛を抱えている物が多いため、それに倣って大漁旗にデザインしている方も多く存在します。なので鯛を単体で描いた大漁旗も多く存在し、めでたいという言葉を連想できるユニーク性に溢れたデザインも有名です。
一方漁業は朝早くに海にでる事が多いため、その意味から朝日や日の出を背景にした物を飾る方がいます。これは早起きに美学的な意味が含まれているので、その元に行う仕事の綺麗さをアピールする事にも繋がります。
他にも安全や無事な帰還を象徴する不死鳥や鶴といった生き物や、富士山等の綺麗でイメージしやすい物を大漁旗に込める思いの形としてデザインしています。
大漁旗は昔は印染めで作っていたそうですが、現在はポリエステルインクジェットが多いです。
大漁旗の始まり
初めて使用された時の意味は縁起を担ぐ意味で使用されていたため、大漁旗としての用途よりもオリジナルの飾り旗を作って家に飾る用途で使用されていました。しかし昔は通信等で漁業の成果を事前報告する事が出来なかったため、大漁旗を見せる事で漁港で待っている家族に成果を知らせる意味で使用された歴史があります。使用されていた歴史では江戸時代が有名で、その時は塗料も豊富になかったので白旗等の簡素な物が製作されていた事例も多く、オリジナルに該当する派手なデザインが現れたのはそれからしばらくしてからです。
昔は魚介類の加工も今ほど機械や技術で簡略化されておらず、取れた魚介類によっては荷揚げの準備内容が異なる上に時間もかかります。なので即座に加工処理ができるように、準備を促す目的でも使用された歴史があります。同時に近隣の漁船仲間に知らせば分ける事もできるので、人間関係の維持という側面でも使用されていた歴史があります。
現代における大漁旗の役割
漁猟において大漁は縁起の良い事なので、それを知らせるための意味合いが多く含まれています。現代ではその意味が派生していき、縁起の良い時期に漁船に取り付けるという用途が定着しました。そのため正月の年初めの出航や新造船が初漁業をする時に取り付ける事例が多くなり、収穫量喧伝の意味で使用する事は少なくなっています。
こういった事情からアレンジ商品を販売する目的で作られている事例も多く、観光名所に海岸が関係している場所ではお土産屋に商品が並ぶ事が多くあります。しかし海産物を運ぶトラックにはいまだに大漁旗をイメージさせる用途の物がペイントで多数施されている上に、オリジナルデザインの物も数多く存在します。
なので歴史共に本来の意味合いが薄れたとはいえ、海産物が大漁にあるという本来の意味を題材にしたデザインコンテンツが現代でも流行です。
また一部では国内文化の系譜として使用されている場合もあり、その際には目立つデザインである事を存分に生かした使用用途が定着しています。