旗の歴史については紀元前から存在すると言われていますが、日本でのぼり旗が確認されたのは
絵巻物で応仁の乱にはすでにあったということの証明がなされただけで、その歴史もう少し古いかもしれません。
ではなぜのぼり旗が必要になったのか?
合戦時の敵味方の区別のため必要になったことと、
旗に染色している旗紋が大切だったということ。
旗印(家紋)の起源は実は公家の所有物でした。公家紋と呼ばれて海からの輸入品につけられていたのが始まりです。
それから馬車などに使われて家々を区別するための家紋になりました。
武士とはもともと朝廷を頂点に朝廷に許可を得て武装し、紛争を解決するための武装集団です。
朝廷は軍事行動を指示した証として陣幕やのぼり旗を与えたと言われています
つまりその旗印こそが大義名分そのものとなるのです。
のぼり旗が急速に発展したのは戦国時代
岐阜市歴史博物館蔵収蔵『関ヶ原合戦屏風』(江戸時代後期)
時代とともに朝廷の力が弱まって権力は武家に移っていきます。
そこでもともと家紋による旗印にてどこの一族なのか?
どこの公家に庇護を受けているのかの重要性がどんどん薄まっていき、
武将自身の好みのものと変わっていきました。戦後時代末期には4万種類もあったと言われています。
- 尚武紋・・・武家の象徴を表した家紋
- 吉祥紋・・・ゲン担ぎをした家紋
- 信仰紋・・・信仰に由来する家紋
上記3つに分けられるほど様々な種類が誕生したのもちょうどこの時期です。
ただあまりにも他社との区別より他社との差別化を目指して複雑になりすぎたので、
正紋(じょうもん)替紋を定めて必要に応じて付け替える武家も増えてきました。
陣旗や馬印や大馬印など様々にまた黒母衣衆・赤母衣衆などの特徴的な色を意識した差別化にも
一端を担っていたと言われています。