
「金色や銀色に染められますか?」
この質問、染色業界の方なら一度は尋ねられたことがあるかと思います。
厳密にいうとできません。
というのも金色・銀色は染まらない色なのです。
織物や刺繍に使われる金糸・銀糸は、それぞれ金箔・銀箔を和紙にはりつけ
細く切って糸に貼り付けたものなので、実際金色・銀色に染まっているわけではありません。
この記事を見て、「金色ののぼり旗を街で見たことがあったような…?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
染色(※布の中に染料を浸透させる)ではなく、顔料プリント(※布の表面に顔料の粒子をのせる)であればこの表現が可能となります。
繰り返しとなってしまいますが、金と銀は布に染めることができないのです。
ですが、金色・銀色っぽく加工するにはいろんな方法があります。
弊社では金色・銀色の表現方法として、主に4つの方法をご提案しております。
①顔料で表現
②金・銀っぽいグラデーションを染色
③光沢のある生地を黄色またはグレーで染色
④金糸・銀糸で刺繍←オススメ!
京都のれんが製作した商品や生地見本の写真と合わせて紹介しておりますので
ぜひご覧くださいませ。↓
①顔料で生地の表面に粒子をのせて表現する。
※金銀顔料プリント事例↑
こちらは風呂敷等の名入れでよく使われる方法です。のぼり旗でも同様ですね。
布に浸透させる染色と違い、顔料プリントなので布の表面にのる形になります。
②データで金・銀っぽいグラデーションをつくり、染色する。
もし金色が希望であれば写真のように
白→黄色→黄土色→白…のグラデーションをデータ上で作り、それを染色するといった方法です。
グラデーションはテンプレート入稿の際、お客様自身でデータを作成いただいております。
(※金・銀グラデーションをご希望される方でデータのご用意が難しい場合は、
別途データ料金を頂戴し弊社でデータ作成することも可能です。詳しくはお問い合わせください。)
③光沢のある生地を黄色・グレーに染める。
遮光サテン(ポリエステル100%)という光沢のある生地に、
黄色またはグレーで染色する方法です。
金銀表現 遮光サテン金銀見本は、こちらよりhttps://kyotonoren.shop-pro.jp/?pid=177327196ご購入いただけます。
④金糸・銀糸で刺繍する
一番金銀の発色を綺麗にするなら刺繍がおすすめです。
弊社では両面金銀にみえる刺繍も承っております。
金・銀の両面刺繍は技術的に不可能なのですが
両面に見えるような仕上がりに出来る方法がないか職人様と相談し、
試行錯誤を経てこちらの商品が完成しました。
表面に金糸・銀糸を使用し、裏面に
黄色や灰色の※人絹糸(レーヨン)を使用し製作しています。(下記にイメージ図ございます。)
※人絹糸(レーヨン)は、高級感があり、耐久性の高い糸です。
非常に光沢感のある素材の為、黄色や灰色の糸でも光の当たり方によって
金色や銀色に見える仕上がりになります。
いかがでしたでしょうか?
このように金色・銀色の染色はできませんが、アプローチの仕方は様々です。
製作されたい布媒体や出したいイメージから、表現方法を考えるのも面白いかもしれません。
金銀色を用いたのぼり・横断幕・のれん・風呂敷などを作られたいときは遠慮なくご相談くださいませ。