神社で使うのぼり旗は、日常的に訪れる参拝者に対しては、
存在やご利益を知らせるために使われています。
一方で、例大祭などの行事を開く際には、特別に大きなのぼり旗を
山門などの前に設置して、お祭りの雰囲気を盛り上げることも行われてきました。
このようなことから、のぼり旗は神社にとっては常に欠かせないもので、
境内の景色からは取り外すことができない要素になっているのです。
正月の初詣の時期になると、のぼり旗にかかる期待感は特に大きくなります。
多くの人がご利益を求めて参拝するわけですから、初詣のために
のぼり旗を特別に多く用意して、目立つ場所に設置することも重要になってきます。
道路からも目立つような工夫をしながら、境内では堂宇と見事に調和する形で
設置する工夫も見られます。
神社は観光名所になっている場所も珍しくないため、のぼり旗は
観光客に対しても目立つように設計する場合もあります。
特に目立つようにするために、色彩は紅白や白黒の2色で
統一されることが多くなっています。
朱色の鳥居に対しては、赤色の素地と白色の文字が
特徴的なのぼり旗を設置することによって
パワースポットとしての魅力を演出することも
可能になります。
日本的な要素もあるデザインにすると、外国人観光客の
興味を引くこともできます。
神社の魅力を最大限に引き出すために風の演出も活用しながら、のぼり旗が
勇壮な状態で動く姿を見せるのは優れたアイデアですね。
パワースポット巡りが流行している背景
日本においてパワースポットといわれる場所のもとには神体山信仰といわれるものがあります。山や森などを神様が住む場所やそれ自体を神と考え、自然の神秘や偉力を感じられるところがパワースポットとなっています。
たとえば、湯殿山神社や熊野那智大社なども巨石信仰や大滝信仰による圧倒的な自然崇拝から来ているものです。湯殿山でご神体の巨石を見た松尾芭蕉は「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」とその人知を超えた神秘を涙ながらに吟じています。
現在では普通に使われているパワースポットという言葉ですが、スプーン曲げで有名な超能力少年だった清田益章さんの造語から始まっています。70年代から清田さんは身体的にも精神的にも癒やされ力がわいてくるような大自然の気やエネルギーを感じとれる場所をパワースポットと呼ぶようになりました。
1987年には『現代用語の基礎知識』でパワースポットという言葉が使用され、その後も様々メディアでとりあげられたことも要因の一つとなりブームは続いていましたが、2010年ごろには雑誌や新聞などで特集が組まれるようになり、パワースポットめぐりのブームは頂点に達しました。
しかし3・11の東日本大震災が発生しブームは終ったと思われましたが、伊勢神宮の遷宮とともにふたたびブームは盛り返してきています。