浸透昇華転写とは
昇華転写は特殊な転写紙にのぼりの図柄を写し、のぼり生地と一緒に転写機と呼ばれる熱せられた機械に挟んで巻き込んで印刷します。転写紙にはプリンターであらかじめ図柄を印刷しておきます。熱せられたインクはのぼり生地の分子構造にまで染み込みます。インクが熱で気化して生地に蒸着することから昇華という名前が使われていて、生地にそのまま写されるのです。
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ポンジーのような薄手の生地であればのぼり旗を製作する際通常の昇華転写で裏抜けします。ただしポンジーより分厚いものを製作すると
裏抜けはせず、裏は白くなります。
のぼり旗の業界ではポンジーでは薄すぎるというお客様にはトロピカルという生地にて製作することがございます。
通常の昇華転写では裏が白くなるため、その際は通常より温度を上げて生地に染料をしみこませる工程を
追加することでトロピカル生地でものぼり旗で使って遜色ないほどの仕上がりになります。
通常の工程より手間や材料費用がかかることから、製作する際は割高になりますが、
のぼり旗を50枚程度製作の場合はお勧めの手法がトロピカル生地の浸透昇華転写となります。
100枚以上となるとシルクスクリーンで同じく浸透させる方法もございます。
当社ではのぼり旗をトロピカル生地で作る場合は基本浸透扱いにて進めております。
昇華転写は版いらず!
プリンターで製作するわけですから、細かで複雑で多色の入り組んだデザインにも対応できます。従来の捺染というシルク生地を版とした重ね印刷よりも細かくプリントが出来るので難しい図柄のオーダーに向いています。ただし1時間に50枚程度しか製作出来ないので、簡単なデザインで1時間800枚の多量の印刷を要する場合には捺染が向いています。どんな図版でも対応しやすいですが、細かな柄に対応できるように機材を使用していて、その分1枚当たりのコストが高くなるので正にオーダーメイドと言えます。
捺染と言われる版を使った印刷は生地の色が一色増えると版も1枚増えます。オーダーされるのぼりの元の色数によってコストが高くなるわけです。
捺染も技術の進歩で写真レベルの細かい柄に対応できるようになっていますが少ロットには不向きです。
昇華転写だと色ごとに版を1枚ずつ作成する必要がありません。
プリンターに仕上がりデザインを印刷する方式だとパソコンで作成した図柄を印刷して熱転写するだけです。原理としては家庭用のインクジェットプリンターと同じですので、色のバリエーションにも制限は全くありません。捺染は版に乗せてあるインクが印刷できる生地でないとならないのですが熱転写だと直接生地に蒸着させるので、ポリエステル素材であれば多種類の生地に対応出来るというメリットもあります。
かなり細かく作り込まれていて凝った柄ののぼり作成だと熱転写方式が向いています。現在ののぼり印刷では昔ながらのアナログ方式とプリンターを使っての新しいデジタル方式に用途、コストに合わせて分けています。