「アートボード」とは
アートボードはアドビシステムズが販売しているイラストレーターやフォトショップで呼ばれるイメージを描き込むためのスペースのことであり、新規作成する際に最初に設定します。ここで大きさを決めることで印刷した時にぴったりと合わせたものを作ることができます。
原稿を入稿してのぼり旗を作る場合には大きさを設定する必要がありますが、この時にイラストレーターやフォトショップの新規作成時に幅と高さをミリメートル単位で設定すれば、のぼり旗の正確な大きさのものを作ることができるものです。
またテンプレートが用意されていなくても(当社テンプレートはこちら)新規作成によって大きさを設定して作ることができるので、オーダーで作るオリジナルの大きさののぼりを作るといった場合にも活用することができます。
なお、大きさは途中で変更することができ、その際に大きさだけ変えることやスペースを広げるといったことも可能で途中でのぼり旗の大きさを変更したい時にも使うことができます。
アートボードを活用してデザインの幅を広げよう
オリジナルのぼりは、遠くから見ても目立つデザインにすることが大切です。目立つデザインにするためには、文字の大きさや配置の仕方に気を配る必要があります。
文字の大きさと配置を確認する際に便利なのが、ガイド機能です。メモリを利用して文字の大きさや位置関係を確認することができます。
縦と横の直線は平行感覚で並んでいるので、文章同士の感覚を見やすく配置することも簡単です。さらに、縦と横の直線は垂直に交わっているのも便利な点です。文章やイラストを縦横揃えて配置すると、とても見やすいデザインになります。
メモリを利用して、配置した文字やイラストの位置関係を保持したまま簡単に移動することができます。
全体のどの位置にイラストや文字が表示されているかを確認できるので、簡単に見やすいオリジナルのぼりが作成できます。イラストを描き足したい時もメモリを利用すれば大きさや位置を誰でも簡単に把握することができるでしょう。
有名画像ソフト「illustrator」と「Photoshop」の違い
ポスターなど、イラストを作成する画像ソフトといえばillustratorとphotoshopでしょう。どちらを使っても立派なポスターなどは作れますが、実はこの二つには大きな違いがあります。
まず、Photoshopは写真加工や合成を行うのに適しているソフトです。自由に線を描いたりすることも可能なので、イラストなどの描画にも向いています。
Photoshopを使ってアニメや漫画、映画のCGを作成することも可能です。一方、illustratorでは写真に文字を入れたりはできますがPhotoshopのような細かい加工を行うことができません。
主に、ロゴを作成したりレイアウトをするのに向いているソフトです。例えば、雑誌のレイアウトやポスターのレイアウトに用いられているのがillustratorです。
基本的に、ポスターやチラシならどちらのソフトでも製作することができます。しかし、使う写真や画像を本格的に加工したいときはPhotoshopを使います。文字やロゴなどを細かくレイアウトをしやすいのは、Illustratorの方です。
漫画や絵画のように、ペンや筆による手描き風のイラストを描きたいのならPhotoshopをおすすめします。Illustratorでも線は描けますが、筆や絵の具で描かれたものを表現するとなると少々難しいです。
平面的な図表については両方で対応可能ですが、どちらかというとIllustratorの方が簡単です。ペンタブレットで絵を描きたいのなら、Photoshopの方が簡単に扱えます。
どちらのソフトでも四角や丸を描くことができますが、拡大縮小した時に画質が若干双方で異なるので注意が必要です。おすすめなのは、両方のソフトを使って作業することです。
と言っても、有料ソフトなのでどちらも購入するとなると大変という人は少なくありません。単純に写真の加工から始めたいのなら、Photoshopから試してみることをおすすめします。
操作の仕方はどちらも同じ会社が販売しているものなので、似ている部分も沢山あります。例えば、どちらもレイヤーという機能を使って版画のように絵を重ねて処理していくことが可能です。
このレイヤーによって、細かく複雑なデザインも簡単に処理することができるようになっています。使い方も似ているので、どちらかが使えるようになるともう片方も使えるという人も沢山います。まずは、どちらかを使ってみることからおすすめします。
画像形式「ビットマップ」と「ベクトル」の違い
Photoshopではビットマップ形式の写真やイラストを編集しますが、illustratorではそれができません。ビットマップ形式とは、ラスター画像という無数の点が集まった画像のことです。印刷物などを虫眼鏡で見ると、細かな点になっていることがわかります。
ビットマップ画像では細かな色彩の表現が可能で、ピクセルという画像形式で表されることもあります。問題点としては、拡大すると点の大きさも拡大されてしまうためイラストの画質が下がってしまうことです。
それに対して、ベクトル画像は点だけでなく線の情報が数値化されています。どんなに拡大してもイラストがボケることはなく、拡大縮小を繰り返しても大きく崩れることもありません。
画質が下がらないと聞くと写真にも良いと考える人はいますが、ベクトル画像では写真を再現することが非常に困難です。illustratorではベクトルを扱うので、図の拡大縮小をする時に線やパターンの細かな設定をすることもできます。
点と線で表現できる図で、後から枠をつけたり色を変える編集をしたいのならベクトルがおすすめです。ただ、この場合は写真等は難しいという点に注意してください。
写真はどうしてもビットマップ形式となり、ベクトルのような編集は難しくなります。illustratorではベクトルを扱うことで、ポスターやチラシのレイアウトを簡単に行えるようになっています。
文字を入力した際も、簡単に文字の大きさを修正したり色を変更することが可能です。ビットマップ画像でも可能ですが、文字の大きさを変更すると画質がその部分だけ悪くなるので注意が必要です。
レイヤー機能を利用することによって、ビットマップでも一部の文字や図を拡大したり移動することはさほど難しくありません。もし、拡大縮小をする必要がビットマップであるときは最終的な画質より高い画質に設定しておくことをおすすめします。
A4サイズで印刷予定なら、その倍の大きさで文字や図を作っておいて縮小すれば画質の劣化も気にならなくなります。保存する際、ベクトルの方は画質をさほど気にしなくても線が荒くなったりすることはありません。
ビットマップの方は画質を下げると、写真などを圧縮してしまうことになるので注意が必要です。保存の仕方を間違えてしまったために、次にファイルを開いたら画質が悪くなっていたということも起こり得ます。
ビットマップの方は一度落とした画質は元に戻らないので注意が必要です。拡大する予定があるのなら、拡大表示してファイルの編集をすることをおすすめします。
1987年1月に初登場した「illustrator」の歴史
illustratorは元々はAdobe Systemsの社内で、PostScript編集やフォント制作をするために開発されてソフトでした。illusutratorがマッキントッシュ版として発売されたのは1987年1月のことです。
illustratorの1.0版の登場から、2ヵ月後には1.1版にバージョンアップされています。そのため殆どの利用者は1.1版から慣れ親しむようになりました。1.1版では筆記ツールをはじめ、楕円ツールや拡大・縮小ツールなど13種類の基本的な描写機能だけでした。
但しマウスによるベジェ曲線の滑らかな表現は、画期的な手法として実装されていました。1988年にillustrator88が登場し、1990年にはillustrator3.0が市場登場を果たしています。
日本ではillustrator5.0が、1993年に発売されています。その頃から、DTPという描写手法が普及し始めまた経緯があります。1998年にillustrator8.0が発売されると、アンリエイリアスの実装がデザイン業界や市場で話題となります。
プレビューでのレンダリングを確認しながら、作業が可能となったわけです。2000年に販売されたillustrator9.0では、アピアランスなる概念も初めて導入されています。
効果メニューの追加と併せて、現在に近い形になりました。その頃になると、illustratorはDTP関連の業界において、不可欠な表現手法として認知されるようになります。
2003年にAdobe Creative Suite(CS)が発売されました。これはillustratorやPhotoshop、InDesignなど画像デザインソフトを統合したパッケージです。初代パッケージにはスタンダードとプレミアムの2種類がありますが、双方にillustrator CSが組み込まれています。
Adobe Creative Suiteの特徴は、ソフトごとのライセンスが統一されたことです。これによりデータの互換性が高まり、利便性が格段に向上しました。そしてCSそのものも動画編集やWebデザインソフトを網羅し、統合パッケージに進化するわけです。
illustratorは発売以来、多くの利用者に驚きを与えつつ、親しまれてきました。当ソフトは今後もさらなる進化を遂げると期待されており、新たな衝撃をもたらしてくれると言えます。
トーマス・ノールが開発した「Photoshop」の歴史
1990年に、Photoshop初版が発売されました。その原型が作られたのは1987年で、改良されながら画期的な画像編集ソフトに進化します。
Photoshopの生みの親の一人が、ミシガン大学博士課程に進んだトーマス・ノールです。彼はコンピューターに画像を認識させる研究を行っていました。そこで開発した画像処理プログラムが、Photoshopの元になったと言われています。
その後、トーマスの弟ジョン・ノールが参入し、兄弟でマッキントッシュ用のDisplayというツールを作り上げました。二人は当ツールソフトに様々な機能を追加し、1988年にImageProなるソフトを開発します。
ノール兄弟はImageProをAdobe System社に持ち込み、同社のチームがそのソフトを大変気に入ります。そして1990年2月に、マッキントッシュ用のPhotoshop1.0が発売される運びになりました。
PhotoshopはMacの普及に伴い、デザイン業界に浸透し始めます。1991年には、ペンツールやパス機能などが追加された2.0が登場しています。1993年発売の2.5からは、Windows版も登場することになります。
それによりPhotoshopは、画像の編集・加工用ソフトとして一般にも認知されることになりました。1994年に登場したPhotoshop3.0には、レイヤー機能が初めて搭載されています。
そして5年後に発売された5.5では、Web関連の機能も追加されました。バージョン数字は2002年の7.0が最後となりますが、この頃には既に多機能画像ソフトとして進化を遂げています。
2003年リリースの新たバージョンは、Photoshop CSと名付けられました。そこには統合パッケージのAdobe Creativ Suiteに由来するものがあります。以降、PhotoshopはCSシリーズの一環として開発されることになります。
そして2012年にCSリリーズ最後の版となる、CS6が発売されています。CSの後を引き継いだのは、2013年に登場したAdobe Creative Cloud(CC)です。CCではサブスクリプションにより、各ソフトが提供されることになりました。
パッケージ版はなく、ダウンロードのみでの購入となります。CCでは月単位で個別ソフトを使うことができるほか、全てのソフトが使えるコンプリートプランも用意されています。