べた塗とは一色でムラなく面を塗りつぶすことです。隙間なくムラなく覆う形で塗るため、濃くハッキリとした表現を行うことが可能です。
平らな状態の印刷面となり、インクが持っているツヤも若干出るような形の表現ができます。ポスターカラーを使って手描きする場合にはテクニックが必要な塗り方ですが、デジタルでの表現においては比較的容易に行うことが可能です。
イラストレーターなどのグラフィックソフトの場合には機能として備えられていて一瞬で塗ったり、一瞬で色を変えたりすることが可能です。面を同じ色でムラなく塗る方法ですが、版を複数に分けて塗ることで複数の色を使用することもできます。
のぼり旗の印刷には、このべた塗りを使用したスクリーン印刷によって作られるものが多くなっています。
オリジナルでのぼりを作るときにも多く使われる方法です。濃くハッキリとした状態でのぼりに印刷できますから遠くからでも認識しやすく読みやすいのぼり旗にすることができます。
べた塗りが映える印刷物
べた塗りはシンプルなデザインが得意です。面での表現ができるため、シンプルなデザインの場合には力強く印象的な仕上がりになります。太くてハッキリしたラインの文字を濃くてクッキリしたラインにすることができます。
単色での表現など色数の少ないデザインのほうが映えますし、太いラインのほうが得意です。認識しやすく分かりやすいものが作れますのでサインや案内板などに向いています。グラデーションや水彩画のような色にムラがあるデザインには向いていませんが、面で表現することができるためムラのないものが作れます。
必ずしも一色である必要もありません。面の組み合わせで作られるため使用できる色数そのものには制限がありますが、組み合わせやレイアウトにより多色の表現をすることも可能です。また一色であっても網点やグラデーションを使用して濃淡を表現するという方法もあります。ハッキリクッキリした読みやすいものが作れますので、のぼりなどに向いています。
べた塗りが向かない印刷物
べた塗りが向かない印刷物としては、写真のように多数の色が細かく使われているようなものです。一色をハッキリ、クッキリ表現するのに向いた方法であるため、多数の色を使うのには向いていません。版を分けて処理するのにも限界があります。オリジナルでのぼり旗を作るのに、写真のように多数の色が使われた画像を使いたいようなときには向いていない方法です。イラストレーターでオリジナルののぼり旗をデザインするときには注意が必要です
色の数が多くなればなるほど表現が難しくなりますし、線が細かったりなどデザインが繊細すぎると線がかすれたり、印刷されなかったりする恐れがあります。薄い色も表現が難しい場合もありますのでデザインには注意が必要です。イラストレーターなどのグラフィックソフト上では簡単にできることが実際ののぼりに簡単に使えるとは限りません。のぼりをべた塗りで美しく適正な価格で作成したいのであれば、デザインの段階から意識して作成するとよいです。